【映画】猫は抱くもの 感想(ネタバレあり)
【映画.comビフォー】「これ、完全に猫好き&イケメン好き向けでしょ!?」
【映画.comアフター】「これ、映画ファンにも見てもらいたい! 見て!」
「ほんわかした猫映画でしょ?」と思ったら、とんでもない!
そんな私たちの予想は、始まった瞬間から裏切られる。
「そこのみにて光輝く」「オーバー・フェンス」の高田亮脚本で描かれる、
思い通りに生きられない猫と人間が、どのようにして本当の自分と向き合うか。
これは、「ジョゼと虎と魚たち」「メゾン・ド・ヒミコ」「グーグーだって猫である」、
犬童監督の代表作のエッセンスを受け継ぐ、映画の遊びと切なさたっぷりな1本。
原作
監督・犬童一心
プロデューサー・川村元気
猫は抱くものに出演している主要キャスト
良男と出会ったときの沙織。
本当の自分とはなにか、を
人間の良男が、沙織と会話しているものの、
沙織は猫の良男を撫でて、独り言を言っている現実。
https://eiga.com/movie/88358/interview/
猫の良男
人間になったときの良男
猫の映画を最近ずっと撮っているので、その最終形を撮りたかった」と続ける。
「人間と猫はちゃんと愛し合えるし、本当に心が通じ合える
犬童監督と沢尻エリカのインタビューにもあるように、
演出は、とてもユニーク。
猫が擬人化
感想
・映画とミュージカル調を行ったり来たり。
・擬人化した猫と本物の猫が登場する。
・沙織(沢尻エリカ)の妄想と現実。
・沢尻エリカの体(ヌード)が美し過ぎる。
沢尻エリカの喜怒哀楽すべてを表現した映画、といっても過言ではないくらい、これでもかというほどに沢尻エリカが、美しく、そしてダサく、人間らしさの象徴として表現されています。
人付き合いが苦手で伏し目がち。猫と2人っきりのときはデレてる。(かの有名な、「別に…の」のイメージです。)
一世を風靡した元アイドルの沙織ですが、ヒット曲以降は、思うように仕事が決まらず、逃げるように、自分のことなど誰も知らないような土地で、スーパーのレジ打ちとして働くのです。
猫を可愛がる沙織ですが、
「結局、人間なんて、恋人ができれば、猫なんて放っておいてしまうんだよ」
「どうして、人間は大人になるにつれてやりたいこともやらず、言いたいことも言わずに生きてしまうんだろう、猫はこんなに自由気ままに生きているのに」と、いわれているかのようです。
本気で遊んで作られた映画であると、監督がインタビューで答えていたように、舞台風の映像だったりアニメーション、ミュージカルも織り交ぜられた演出には、沙織の“妄想”と“現実”がファンタジックに表現されていました。ゴッホ演じる、峯田和伸の画家感がすごかったのが印象的でした。彼が演じるとなぜ素っぽく見えてしまうんだろう、といつも観てて思うのですよね。
映画を観終わってから席を立つと、若い女性2人の会話が聞こえてきたのですが、
なんだかよくわからなかったけど、吉沢亮がかっこいかった~
んね~時々、なんでミュージカル調?みたいな。
映画というのは、一度観るだけではなかなか作品の伝えたいところや意図をしっかり理解することは難しく、本当にその映画を知るためには、原作を読むことはもちろんのこと、監督や脚本家がどのような思いをもって作品を作り上げたのかを知ることはだいじだなぁと改めてこの映画を観て思いました。
映画に何を求めるか、、、